蒼き星の守護者 第2章 —01— プロローグ

「ねえねえ、母様―!私もウィルみたいに魔法を使いたいー!そしたら私も強くなって立派な星の守護者になれるのにー!」

 少女は不満そうに自分の母親に駄々をこねていた。こうしたことはよくあるのか少女の母親も慣れたように少女を宥めていた。

「無理を言うんじゃありません。魔法なんて誰でも使えるわけではないんですよ?ウィルは星神様のご加護を受けた特別な存在なのですから。」

「えー、ウィルばっかりずるいー!私も使いたいー!」

ただ、少女の不満はなかなか収まらないようだった。

「アヤメは”気”が使えるんだからいいじゃないか。俺なんてこれっぽっちも使えないのに」

「うー・・・でもこんなんじゃ母様もウィルもこの星も護れないよー」

 どうやら少女は強くなれないことに不満があるわけではなく、このままでは誰かを護れずに失ってしまうのではないかという漠然とした不安を解消できないことに不満があるようだ。その不安を解消してあげるために少年は言った。

「大丈夫だよ、みんなも、アヤメも何があっても絶対に俺が護るから!」

 少年のその言葉に少女は上目遣いで本当に?と問いかけた。少年は少女の問いかけに本当だ、と答えた。

「えへへ、約束だよ!」

 少年の言葉が嬉しかったのか少女は照れくさそう後ろに手を組んで微笑んだ。

盾パラ–01– 

続きを読む

蒼き星の守護者 第1章—[09]—[闇の中で生きる者達](4)

 闇の中で生きる者達(4)

1話に戻る
←前へ 目次

「離してください!!!」

「姉ちゃんよ、一体こんなところで何してんだー?良い子は家でおねんねの時間だぜ?」

 ラスは物騒な格好をした男に見つかり、少し走って逃げていたがどうやらもといた場所のすぐ近くの広場で捕まってしまったらしい。この男、よく見ると先程の闇ギルドの連中と同じ紋章を腕に付けている。どうやら任務から帰ってきた連中の仲間に偶然見つかり捕まってしまったようだった。 続きを読む

蒼き星の守護者 第1章—[09]—[闇の中で生きる者達](3)

[闇の中で生きる者達](3)

1話に戻る
←前へ 目次 次へ→

 まずい!と思ったウィルは咄嗟に古代魔法”閃光”を大部屋に向かって放った。閃光によって大部屋にいた男達は目に強烈な刺激を強制的に入れられ、そのあまりの痛みに両目を抑えていた。その隙を突いてウィルはメルト達の縄を解き、一緒になって眩んでいる三人を抱えてギルドの建物の外へ急いで連れ出した。

「ぐわっ」

「くそっ、何も見えねえ!何が起きていやがる!?」

後ろから凄まじい光によって激しく目を痛めつけられたゴロツキ達の悲鳴が聞こえる。ウィルは早くこの場を離れなければいけないと思いメルトを背負ってアレンとサーシャを両脇に抱える形で急いで走っていた。流石に人三人を抱えて走るのは普通の人にとってはなかなか辛いことではあるが身体強化の魔法を使っていたウィルにとっては朝飯前のことだった。 続きを読む